ミャンマーは、電力の増強に挑んでいる。同国のトゥン・ナイン電力・エネルギー相は、今後4年間で360万キロワットの発電容量を新たに追加する方針を示した。平行して、電力網から外れた地方では小規模発電施設の設置を進め、2030年までに電力空白地をなくすとしている。現地紙ミャンマー・タイムズなどが報じた。
同相によると、ミャンマー国内の電力消費量は10年から17年まで年平均16%の勢いで増加し、17年度(17年4月~18年3月)は319万キロワット時になる見通しだ。今後も経済成長とともに電力消費の増加が進み、21年には577万キロワット時に達するとみられることから、電力増強を急ぐ。
18年度は5件の開発を進めていくとしており、最大規模は中部ミンジャンのガス火力発電所で、発電容量は225万キロワットを予定している。このほか、中部タトンのガス火力発電所(119万キロワット)、中部タケタのガス火力発電所(106万キロワット)、中部ミンブーの太陽光発電所、北部ヤザギョーの水力発電所(4000キロワット)が予定される。
以降も19~21年度で10件、合計361万キロワットの開発を進めるほか、現状で電力の需給が逼迫(ひっぱく)していることから、既存の火力発電所の改修なども進めていく。隣国ラオスからも電力を輸入する方向で、両国間の基本的な合意もすでに得られているという。開発の中心は太陽光や水力など再生可能エネルギー、自国生産が可能な天然ガスを燃料とする火力発電となる予定だ。石炭火力は環境への影響を懸念する地元住民の反発を受けるケースが多く、政府も慎重な姿勢をみせている。