インターネット上の仮想通貨「ビットコイン(BTC)」の価格が急落している。主要な国内取引所で17日、約2カ月ぶりに一時1BTC=100万円を割った。韓国をはじめとして、世界的に規制強化の流れが強まるとの観測が広がり、不安視した投資家の売りが相次いだとみられる。
取引所運営の「コインチェック」(東京)によるとBTC価格は17日午前に99万7千円を付けた。100万円を下回るのは昨年11月下旬以来。その後買い戻しもあり、午後5時現在は130万円前後に回復した。
ドル建てでも急落。米情報サイト「コインデスク」によると、16日に一時1万63ドルと、昨年12月初旬以来約1カ月ぶりに1万ドルの大台を割る寸前まで落ち込んだ。
仮想通貨をめぐっては、韓国政府が取引の禁止を検討していることが伝わっているほか、中国では、政府が取引所と類似のサービスを提供する携帯端末向けのアプリなどの取り締まりに乗り出すとの情報もある。
また、ロイター通信によると、ドイツ連邦銀行(中央銀行)のヨアヒム・ビュルメリング理事は、仮想通貨は「国際的な協力を通じた規制のみが効果的だ」と指摘。世界的に規制が強まるとの思惑から、BTCの売りが進んだとみられる。
BTCは昨年12月、米シカゴ・オプション取引所の先物取引開始に伴う大口投資家の参入期待などで、国内取引所で一時230万円超に上昇。その後は乱高下を繰り返し、最近は170万円近辺で推移していた。