米政府、パキスタンへの軍事援助凍結を発表

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国務省は4日、パキスタンへの軍事援助を凍結すると発表した。アフガニスタンでテロ行為を展開するイスラム原理主義勢力タリバンやタリバンの一派ハッカニ・ネットワークへの対策が不十分であると判断した。

 ナウアート国務省報道官は凍結額について「計算中」として明らかにしなかったが、ロイター通信が米政府当局者の話として伝えたところでは2億5500万ドル(約287億円)を上回る規模になる見通しだ。

 米政府は、パキスタン軍・政府の一部勢力がタリバンやハッカニ派に対して自国内に隠れ家を提供するなど、対テロ掃討作戦に本腰を入れていないとして、繰り返し是正を要求。トランプ大統領は1日、今年最初のツイートで「パキスタンはテロリストらの避難場所になっている。もう我慢ならない!」と不満を表明していた。

 ナウアート氏によれば、援助凍結はパキスタンがタリバンらに「断固たる措置」をとるまで続けられる。