【平壌共同】北朝鮮の首都平壌のスーパー「光復地区商業中心」の取材が21日、共同通信に許可された。「市内で一番人気」(女性市民)といい、近年活気づいている平壌市民の消費生活を象徴する場所だ。
2012年に中朝合弁でオープン。昨年末に合弁を解消し、現在は北朝鮮単独で運営している。当初は商品の半数以上が中国などからの輸入品だったが、輸入依存脱却を目指す国の方針に従い、国産品が7割以上を占めるようになった。
1階は食品や日用品、2階は衣服やバッグなどの売り場で、3階はレストランが入る。菓子やパンなどはほぼ国産で、種類も10種以上と多様だ。
平壌市内でよく見かけるようになった電動自転車も、以前は中国製だったが国産ブランドに入れ替わった。シャンプーや焼酎など日本の製品も陳列。日本からの輸出は禁じられており、第三国から輸入したとみられる。
従業員の金鏡淑さん(45)によると、開業以来、売り上げは「右肩上がり」。度重なる国連制裁で経済への締め付けが強まっているが、今年に入っても売り上げは維持されているという。
正月用の食材を買いに来た主婦の李香淑さん(45)は「ここは商品が多く質も良い。買いたい物はたくさんあるが、持って帰る手が足りず買い切れなかった」と話した。