年末年始の営業は必要か “三が日の光景”変化、休業日設定の動き広がる (2/2ページ)

 同社にとっては以前から重視してきた取り組みの一環のようだが、世間的にも働き方改革が注目されるようになってきた。「働きやすい職場づくりは業績にもつながってくる。しっかりと整備しないといけない」(同)

住宅業界にも波及

 飲食業界ではロイヤルホールディングスが元日を含む休業日を設けることが話題になっている。傘下のファミリーレストラン「ロイヤルホスト」では24時間営業を廃止した。小売り業界では、三越伊勢丹ホールディングスの多くの店舗で、従来初売りを実施していた1月2日を休業日にしている。18年からは三が日を休業することを検討していたが、断念したと報じられた。

 その流れは他の業界にも波及している。大和ハウス工業は18年から、1月1~3日の三が日に、全国の住宅展示場などの営業を取りやめると発表した。これまでも元日は休業日だったが、2日と3日は営業していた。全国240カ所の展示場と99カ所の営業所が対象となる。

 住宅業界でも年始の時期は書き入れ時。それでも三が日休業を決めたのは「お客さまと身近に接している社員が自ら家族と過ごすことで、モチベーション向上を図る」(担当者)ことが目的だ。

 先行して14年から三が日休業を実施している東京本店で業績への影響がほとんどなかったことから、全国展開に踏み切った。

 ゆっくりと休むことが仕事への活力とモチベーションを養う。多くの人にとってそれは同じだ。初売りや福袋など、お正月の買い物やイベントを楽しむのもいいが、家でのんびりと過ごす時間を見直してみるのも必要かもしれない。