AIIBが中国初案件 石炭削減で大気汚染の改善ねらう

北京中心部の金融街にあるAIIBの入り口=7月24日
北京中心部の金融街にあるAIIBの入り口=7月24日【拡大】

 中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は11日、使用エネルギーを石炭から天然ガスに切り替える北京市のプロジェクトに2億5千万ドル(約284億円)を融資すると発表した。AIIBが中国での案件に資金を投じるのは初めて。

 石炭消費を減らし、深刻な大気汚染の改善を促すのが狙い。

 北京ではエネルギー源を、環境への負荷が大きい石炭から天然ガスにシフトする政策を進めている。AIIBは、農村部や各家庭に天然ガスを供給する配管ネットワークの整備事業に融資する。プロジェクトは2021年に完了する予定。北京市政府は環境改善を急ぐあまり、今冬は天然ガスの供給が追い付かず、家庭で暖房が使えなかったり、工場の操業が制限されたりする影響も出ている。

 AIIBは環境問題を重視する方針を掲げており、金立群総裁は「(温暖化対策の新枠組み)『パリ協定』の下で、AIIB加盟国が環境改善目標を達成することを支援する」とコメントした。(共同)