中国共産党が規律違反で調査している重慶市トップの市党委員会書記だった孫政才氏=党政治局員=について、党籍剥奪にする方針を固めたことが24日分かった。党関係者が共同通信に明らかにした。孫氏は次世代指導者の候補とみられていた。習近平国家主席が主導する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を利用した企業不正に関与した疑いがあり、習氏が激怒したとされる。
第19回党大会直前に開かれる10月11日からの第18期中央委員会第7回総会(7中総会)で処分を正式決定し、司法機関に送る見通し。習氏は処分を象徴に掲げ党大会でも反腐敗闘争の継続を訴え、一層の権力集中を図る構えだ。
関係筋によると、孫氏は重慶市トップに就任後、「一帯一路」沿線国の金融決済ネットワークづくりを手掛ける中国のIT企業に肩入れ。重慶市の国有企業を使い、企業側に不正に資金提供した疑いが持たれている。女性関係を巡る規律違反も指摘され、知人女性と関係が深い企業に利益を図る目的での商取引を主導していたとの情報もある。(共同)