世界的にブランド力が強いソフトチーズを中心に、全品目の関税撤廃は交渉の重要課題だ。市場開放を一部品目にとどめる日本の妥協案には耳を傾けない構え。
迫られる二者択一
EUは日本がチーズなど農産物の市場開放に応じれば、日本が求める日本車関税の早期撤廃を受け入れる姿勢を見せる。これまでの交渉では、大枠合意後に先送りする、企業と進出先国との紛争処理手続きなどを除き、残る項目でほぼ決着が付いたもようだ。
政府は懸案となっているチーズを単独ではなく、他の品目とまとめた「パッケージ」(山本有二農林水産相)で決着させたい考え。ただ、EUが完全撤廃を譲らない場合、国内生産者を切り捨てて決着するか、それとも大枠合意を見送るかで、ギリギリの選択を迫られることになる。