チーズをめぐっては、日本は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)で主要品目の関税を守りつつ、一部の参加国に対しプロセスチーズの低関税枠を設けることで合意した先例がある。EUとの交渉でも同様の決着を模索しているが、日本への輸出拡大を狙うEUはチーズ全品目の関税撤廃を要求しており、こうした妥協案で歩み寄れるかどうかは不透明だ。
岸田氏は来日したマルムストローム欧州委員(通商担当)らと1日まで2日間にわたり協議したが、重要分野の結論を先送りした。閣僚会議で日本の交渉方針を確認した上で、EU本部のあるブリュッセルでマルムストローム氏と再び交渉し、首脳同士による大枠合意の環境を整えることを目指す。