■インフラ
バングラデシュは2017年度(17年7月~18年6月)に6件の大型インフラ事業を推進する。17年度予算では6件合計で3061億タカ(約4212億円)を配分し、事業の進展を後押しする。来年後半に予定される総選挙に向け、成果を上げたい政府の意向が背景にあるという。現地紙デーリー・スターが報じた。
6件のうち、最大規模の予算が配分されたのは、同国で初の原子力発電所となるルプール原発(西部パブナ県)の建設事業で、1027億タカを充てる。同原発は発電容量が200万キロワットで24年の稼働開始を目指す。
電力関連では、南東部チッタゴン管区のマタバリ石炭火力発電所にも240億タカを配分した。同発電所は発電効率が高い超々臨界高圧発電方式を採用、発電容量が120万キロワットで23年の稼働開始予定となっている。
最も早い完成が待たれているのは、首都ダッカのパドマ橋建設事業で、17年度は552億タカを配分した。18年12月に開通を目指すパドマ橋は全長6.2キロで、完成すれば、現在はフェリーに頼っているダッカと南西部のアクセスが大幅に改善されるとみられる。
残り3件はいずれも鉄道事業だ。パドマ橋の下部を走るパドマ橋鉄道建設事業には761億タカを配分し、22年の開業を目指す。ダッカのメトロレール建設事業は17年度の予算配分が343億タカで総延長20キロ、19年に一部が開通し、24年に全線が開通する予定だ。チッタゴン管区のドハザリとコックスバザールを結ぶ総延長約100キロの鉄道建設事業には156億タカを配分し、22年の完成を目指す。