カシミール地方の領有権などで対立するインドとパキスタンが、「テロリスト情報の交換」に応じる可能性は低い。印中間では米国との距離をめぐって温度差が大きく、「全会一致」を原則とするSCOの運営には困難が予想される。
SCOは1990年代、中国と旧ソ連諸国の国境画定や安全保障を協議した「上海ファイブ」が母体。SCOはテロへの共同対処や経済協力に軸足を移し合同軍事演習も行ってきた。
露紙によると、9日の首脳会合では「核拡散防止条約(NPT)の順守」や、中国の経済圏構想「一帯一路」の支持を盛り込んだ「アスタナ宣言」が採択される見通し。インドとパキスタンが投票権を得る来年以降、こうした問題での合意形成も難航が必至だ。