■80銀行システム、3年以内に外部接続へ
ITと金融を融合した新サービス「フィンテック」も成長戦略の柱に盛り込まれた。決済や送金、融資、資産管理といった金融機関の“聖域”をITベンチャーが活用し、使い勝手のいいサービスが生まれれば、利便性や企業の生産性向上につながると期待されているからだ。
政府は3年以内に、約80行がそれぞれ公開する銀行システムに外部接続できる「オープンAPI」の導入を目指す。サービス利用者が月の家計簿を自動作成できたり、留学中の子供への仕送り手数料が抑えられたりすることなどを想定している。企業には、売掛金や税務書類の作成の解消、資金不足をあらかじめ回避できるといった活用を見込む。5年以内をめどに、フィンテックを活用して財務、会計領域などのバックオフィス業務を効率化する中小企業の割合を現状から4割程度まで高めたい考え。
このほか、フィンテック分野は世界的に競争が激化しており、主導権を握るためにも、国際会議やITベンチャーの海外展開などを積極的に支援していく計画。監督対応などが不十分とされ、進まないケースもある実証実験がスムーズにできる措置も講じる。