北朝鮮によるミサイルの脅威が現実化した際には住民への早期伝達、迅速な避難が命を守る鍵となる。政府はこれまで全国瞬時警報システム(Jアラート)の整備を進め、3月には同システムを使って初の避難訓練も行うなど備えを強化してきた。ただ、その「実力」は未知数だ。
《先ほど、ミサイルが発射された模様です》
3月、秋田県男鹿市で、同県沖20キロの領海内にミサイルが着弾する想定で避難訓練が行われた。発射3分後には住民に緊急メールが届き、屋外スピーカーからサイレンが鳴り響いた。市の担当者は「自然災害とは違う音のサイレンが鳴ることや、実際に伝えられる情報の内容などが分かった」と訓練の効果を強調する。
ミサイル発射を確認し、防衛省の情報をもとに政府が「日本に飛来する可能性がある」と判断した場合は、総務省消防庁を通じてJアラートで発射情報を発信。領土や領海に落下する可能性があれば屋内避難が呼びかけられ、落下場所の情報が伝えられる。
伝達手段は防災行政無線によるアナウンスのほか、ケーブルテレビやコミュニティーFM、スマートフォンや携帯電話のエリアメール・緊急速報メールなどもある。