中国政府は5日に全国人民代表大会に提出した2017年度予算案で、貧困対策の特別資金として前年度比約30%増の861億元(約1兆4200億円)を計上した。インフラ整備や集団移住により、国主導で貧困解消を図る方針だ。
習近平指導部は、20年までの「小康社会」(いくらかゆとりのある社会)実現に向け、同年までに貧困層を一掃するとの目標を掲げている。李克強首相は5日の政府活動報告で「貧困は小康社会を完成させる上で最も脆弱な部分だ」と述べ、対策を強化する考えを示した。
具体的には今年中に340万人を貧困地区から移住させるなどして計1000万人以上を貧困から脱却させるとした。中国政府は現在の貧困人口を4000万人余りとしている。
一方、貧困解消に関する統計が水増しされているとの指摘は絶えず、李氏は「成果の虚偽報告を厳しく取り締まり、歴史の検証に耐えうるようにする」と強調した。(共同)