トランプ米大統領は2日、カナダやメキシコと結ぶ北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉をできるだけ早期に始めると表明した。協議入りを近く議会に通告する見通しで、90日後の5月にも交渉を始めることができる。トランプ氏は同盟国が交渉相手でも厳しい姿勢で協議に臨むと強調。再交渉の行方によってはメキシコに進出している自動車メーカーなどの日本企業に影響を与えかねず、経営戦略の転換を迫られそうだ。
トランプ氏はホワイトハウスで開いた議会幹部らとの会合で、NAFTAの再交渉は「準備が整い次第、すぐに進める」と述べた。商務長官に指名した著名投資家のロス氏に再交渉を担当させることも明らかにした。
トランプ氏は、その後の別の会合で「多くの通商協定を見直す。同盟国とも、しっかりと再交渉する」と訴えた。 通商交渉の手続きなどを定めた米国の貿易促進権限(TPA)法は、通商交渉を始める場合、少なくとも90日前までに議会に通知するよう、大統領に求めている。米議会調査局によると、既存の通商協定でも再交渉で法改正が必要と見込まれる場合、議会通告が必要。これに従って、トランプ氏は会合でも「90日の期間を考えなければならない」と話した。