2日の東京金融市場は、トランプ米大統領がアベノミクスの柱である日銀の大規模な金融緩和に批判的だという警戒感が広がり、長期金利が急上昇し0.1%を突破、約1年ぶりの高水準となった。円相場が急伸し、日経平均株価は急落して約1週間ぶりに1万9000円台を割り込んだ。
国債市場では長期金利の指標となる新発10年国債(345回債、表面利率0.1%)の利回りが一時、前日終値比0.025%高い0.115%に上昇した。トランプ氏の円高牽制発言などを受け、日銀が金融緩和への積極姿勢を維持するのが難しくなるとの観測から国債が売られた。
1日開かれた米連邦公開市場委員会後の声明に追加利上げへの踏み込んだ言及がなかったことも注目された。外国為替市場で追加利上げの時期が見通しにくくなったとの見方が強まってドルを売って円を買う動きが優勢となり、円相場は一時、1ドル=112円台半ばをつけた。
東京株式市場では、上場企業の堅調な業績を背景に、取引開始直後は前日終値を上回る場面もあった。ただ午後に入って円高が進むと急速に下げ幅を広げた。市場では「トランプ氏の発言への懸念から不安心理が広がった」(大手証券)という見方が出ていた。
平均株価の終値は前日比233円50銭安の1万8914円58銭。東証株価指数(TOPIX)は17.36ポイント安の1510.41。出来高は約21億2800万株。