【ワシントン=加納宏幸、小雲規生】トランプ次期米大統領は11日の記者会見で「対露接近、対中強硬」の外交路線を明確にするとともに、メキシコ国境への「壁」建設や医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃に即座に取り組むと強調。経済政策では雇用創出を約束するなど、20日の政権発足に向けて強い意気込みをみせた。
「露がサイバー攻撃」
トランプ氏は記者会見で、ロシアのプーチン大統領が米大統領選でのトランプ氏の勝利を好ましいと判断してサイバー攻撃を仕掛けたとする米情報機関報告書について問われ、「プーチン氏が私を好んでいるとすれば、それは不利になるものではなく財産だ」と語り、信頼関係をもとに首脳間で米露関係の改善に取り組むことへ意欲を示した。
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討作戦で「ロシアは私たちの助けとなる」とも指摘し、シリアへの軍事介入を強めるロシアとの協力を進める考えも表明した。
トランプ氏はオバマ政権が米露関係の改善を目指すリセット路線を掲げながらプーチン氏の再登板で関係が悪化したことを批判し、「リセットボタンなどなく、仲良くできるかできないかだ。私ならうまくやれる」と自信をみせた。