合併決定直後の2015年7月、朴氏は李氏と面談。聯合ニュースによると、朴氏側が面会前に準備したメモに「政府はサムスンの継承問題の解決を望んでいる」と記され、崔被告が実質支配した財団への積極支援を求める文言もあったという。この通りのやり取りが行われていれば、継承問題への助力の見返りに出資を求めたことになる。
面会直後、サムスン中枢部門の会議で、崔被告の娘でドイツで乗馬訓練をする鄭ユラ氏への支援などについて協議されたとも報じられている。娘の五輪出場を夢見ていたという崔被告にとって財団への出資以上に望むべき支援だった。
サムスン側は、崔被告母娘がドイツに設立した会社と220億ウォン(約21億円)のコンサルタント契約を結び、35億ウォンを送金。馬の購入費43億ウォンもサムスン側が負担したとされる。支援金は、鄭氏の生活費にも充てられていたという。乗馬関連の支援については、李氏も国会で「適切でなかった」と釈明した。
李氏が最も必要とした合併への後押し。崔被告が望んだ娘への支援。2つを結ぶ“鍵”は李氏と朴氏の面談とみられ、特検は全容解明に全力を注いでいる。