夫の年収1120万円超なら増税も 与党税調、配偶者控除拡大へ本格議論 

2016.11.21 22:12

 自民、公明両党は21日、税制調査会の総会を開き、平成29年度税制改正に向けた議論を本格化した。焦点の配偶者控除の見直しでは、パートなどの妻の年収要件を「103万円以下」から引き上げる一方、税収が減るのを避けるため、控除を受ける夫の年収が「1120万円超」の世帯は制限を設ける方向で調整する。見直しは女性の就労を促進する狙いだが、効果が限定的になる可能性があるほか、一部世帯で増税になれば、個人消費に冷や水を浴びせる懸念もある。(田村龍彦、万福博之)

 宮沢洋一自民税調会長はこの日、「女性に103万円といった壁が意識されていることは事実で、喫緊の課題として取り上げなければならない」と述べた。

 配偶者控除は妻の年収が103万円以下であれば、夫の所得から38万円を差し引く仕組み。減税の恩恵を受けるために、年収103万円以下になるよう労働時間を抑えるパート主婦らが多いと指摘される。

 政府・与党はまず、妻の年収要件を150万円以下か130万円以下に緩和する2案を検討し、主婦らが今よりも長く働く余地を増やそうとしている。

 もっとも、社会保険料負担が発生し、手取り収入が減る「130万円(要件次第で106万円)の壁」なども女性の就労抑制の原因とされており、減税の対象を増やすだけで就労が拡大するかは未知数だ。控除の対象もパート主婦らの世帯に限られるため、フルタイムの共働き世帯には不公平感も残る。

 一方、財務省や与党税調は財政規律の観点から、税収が減らない形の見直し(税収中立)を前提としており、控除を受けられる夫の年収に制限を設ける方針。妻の年収要件を150万円以下に上げれば、夫の年収が1120万円超、130万円以下なら夫が1320万円超の世帯の控除は制限する案を検討しており、パートで働く妻や専業主婦がいる高所得世帯は増税になる。

 企業では配偶者手当の廃止や縮小が検討されている。高所得層を中心に個人消費が落ち込んだり、働く意欲がそがれたりすれば、アベノミクスの足かせになる恐れもある。

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