【APEC】安倍晋三首相が習近平氏と「10分間」の日中会談 予定なく双方歩み寄り

 【リマ=田北真樹子】ペルーの首都リマで開かれているアジア太平洋協力会議(APEC)の首脳会議に出席している安倍晋三首相は20日午前(日本時間21日午前)、会場内で中国の習近平国家主席と約10分間会談し、関係改善に向けて努力することで一致した。

 安倍首相は、来年の日中国交正常化45年、再来年の日中平和友好条約締結40年の節目に「日中関係を全面的に改善させたい。懸案を適切に処理しながら大局的な観点から安定的な友好関係を築いていきたい」と述べた。また「年内開催予定の日中韓首脳会談の際には李克強首相が初めて訪日されることになる」として「日中の2国間関係の文脈においても実りの多い訪日としたい」と伝えた。

 これに対し習氏は「関係改善を進めたいとの安倍首相の言葉に印象づけられた」と述べた上で「友好的な考えのもと生産的な議論を積み重ね、懸案を適切に処理し、国民感情を醸成し、関係改善していくことが重要である」と応じた。

 会談は事前に予定されたものではなく「両国首脳が自然な形で歩み寄り実現した」(日本政府関係者)という。両首脳は約10分間、会場内のソファに座って会談。同席者は通訳のみだった。