日銀の黒田東彦総裁は14日、名古屋市で記者会見し、米国のトランプ次期大統領が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの脱退を表明していることに関しては「TPPは日米が中心となって世界最大規模の自由貿易圏を作る画期的なものだ」と強調。実現しなければ「大きなメリットが失われる可能性がある」として、議会承認などの手続きを進めるよう要望した。
トランプ氏の経済政策については「十分承知しておらず、先走ったことを言うのは適当でない」と前置きしつつ「市場は歓迎ムードで、株もドルも上がっている。共和党が上下両院とも過半数を占めたので、適切な経済運営で世界経済に好ましい影響をもたらすことを期待する」と述べた。