今国会の焦点である環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案と関連法案は、10日の衆院本会議で与党と日本維新の会の賛成多数により可決され、衆院を通過した。審議継続を訴える民進、自由、社民の野党3党は採決前に退席、共産党は反対した。与党は参院での審議時間を確保するため、30日までの会期の延長を検討しており、今国会で成立の公算が大きい。TPPの脱退に言及するトランプ氏の米大統領選勝利で発効が困難視される中、与党が採決を強行した。
民進、共産、自由、社民の野党4党は、TPPをめぐる不適切な発言が相次いだ山本有二農水相の不信任決議案を共同提出したが、与党の反対多数で否決された。日本維新は採決に加わらなかった。
TPP承認案などは、11日に参院で審議入りする。安倍政権はTPPを成長戦略の柱と位置付けている。日本が先行して批准した上で、トランプ氏らにTPPの利点を粘り強く説明して翻意を促す方針。