韓国外務省報道官は8日、ペルーで今月20日に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を朴槿恵大統領が欠席すると述べた。北朝鮮による9月の核実験実施など「厳しい安全保障の状況を考慮した」と説明したが、親友の崔順実容疑者の国政介入疑惑が外交にも影響した可能性がある。
聯合ニュースによると、韓国大統領のAPEC首脳会議欠席は初めて。首相室は「黄教安首相が出席する可能性が高い」と明らかにした。
一方、朴氏は8日、政府人事刷新の柱として新首相に野党系の金秉準氏を指名した自身の人事案を事実上撤回した。国政介入疑惑への対応をめぐり国会で丁世均議長と会談し、人事案について「与野党合意で良い方が推薦されれば、その方を首相に任命する」と述べた。
朴氏は金氏起用で局面転換を図ったが、「一方的な人事」だとする野党の反発や世論の退陣要求が高まっていた。人事案撤回で野党側に譲歩し、自らの延命を図る姿勢を鮮明にしたが、新首相は国会で多数を占める野党陣営主導で推薦される見通しで、撤回が事態収拾につながるか不透明だ。(ソウル 共同)