山本農水相「冗談言ったら首になりそうに」とまた失言 TPP承認案の衆院通過に暗雲

衆院TPP特別委員会で、民進党の升田世喜男氏の質問に答える山本有二農水相=1日午前、国会・衆院第1委員室(斎藤良雄撮影)
衆院TPP特別委員会で、民進党の升田世喜男氏の質問に答える山本有二農水相=1日午前、国会・衆院第1委員室(斎藤良雄撮影)【拡大】

 与野党は1日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案と関連法案について2日の衆院特別委員会と4日の衆院本会議で採決することで合意した。しかし、山本有二農林水産相が1日夜、承認案の強行採決に言及した自らの発言を念頭に「冗談を言ったら首になりそうになった」と再び発言。野党は山本氏への不信任決議案提出も視野に反発を強めており、4日の衆院通過の日程は流動的だ。

 山本氏は自民党議員のパーティーで、「強行採決」発言後に森喜朗元首相から電話があったと紹介。「パーティーで冗談を言うなよ」と注意されたことを明らかにした上で、「冗談」発言に及んだ。

 山本氏はこの後、菅義偉官房長官に電話で謝罪。菅氏は「微妙な時期だから気を付けてほしい」と注意した。安倍晋三首相は初当選同期議員との会合中に一報を受け、出席者によると、「首相は気分が悪いという顔をしていた」という。

 民進党国対幹部は1日夜、「謝罪では済まない。最低でも不信任案だ」と激怒。山本氏の辞任を求め、2日朝にも党幹部が協議することを明らかにした。

 与党は30日までの会期の延長も図った上で今国会での承認を確実にする構えだった。自民党の二階俊博幹事長は1日の記者会見で「必要があればやることもあり得る」と述べ、延長の可能性に言及した。一方、参院の自民、民進両党国対委員長は1日、7日に参院本会議で審議入りし、9、10両日に特別委で質疑を行う日程で合意した。