トランプ氏に「泣き言やめろ」 オバマ大統領が選挙不正論に反論

 【ワシントン=加納宏幸】オバマ米大統領は18日、大統領選(11月8日投開票)の共和党候補、ドナルド・トランプ氏が選挙で「不正がある」と繰り返していることについて、米国の民主主義を揺るがしかねない前例のない発言だと述べ、「トランプ氏には泣き言はやめて、得票できるよう自分の主張をしろと忠告したい」と批判した。

 イタリアのレンツィ首相との共同記者会見で語った。女性に対する下品な発言や「セクハラ疑惑」で苦戦するトランプ氏は投票所で不正行為が発生する可能性があると主張し、自らの支持者に投票所を監視するよう呼びかけている。

 オバマ氏は共和党の州知事を務める州も含む各州が主体となる選挙制度の下では不正は不可能とし、「大統領候補が投票前に選挙制度を疑うなどということは近代政治史で前例がない」と述べた。

 トランプ氏がロシアのプーチン大統領をたたえていることも、オバマ氏は「米国政治で前例がない」と評し、対露強硬論でオバマ氏を批判してきた共和党議員らがトランプ氏を支持していることに疑問を呈した。