【米大統領選】初討論会でクリントン氏優勢も、行方は「予測不能」…従来と異なる価値観の有権者 (1/2ページ)

 米大統領選の投票日(11月8日)まで約6週間。「予測不能」な選挙の行方に大きな影響を及ぼすテレビ討論会の第1回は、民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官と、共和党候補ドナルド・トランプ氏の支持率が拮抗する状況の下で開かれた。

 双方ともに発言が新味を欠いた討論会が改めて鮮明にしたのは、米国の針路をめぐる相違だった。内外の融和と協調、安定を指向するクリントン氏と、「米国第一主義」の名の下に孤立・保護主義的な政策を取るトランプ氏という構図だ。

 両氏が言及した日本の立場からすれば、クリントン氏の政策の方が望ましいことは明らかだろう。北朝鮮の核問題の解決を「中国任せ」にし、米国の関与を弱めるとも受け取れる発言も、気がかりだ。

 有権者が目をこらしたのはしかし、立ち居振る舞いを含む「大統領の資質」だったに違いない。トランプ氏は、機関銃のようにまくし立てる「トランプ節」をうならせ、クリントン氏の方は笑顔を交えながら、努めて冷静に振る舞っているように映った。