【ロッテ裏金疑惑】会長は疑惑否定 検察、創業者を在宅起訴へ

 【ソウル=藤本欣也】韓国ロッテグループの裏金疑惑などをめぐるソウル中央地検の取り調べに対し、創業者、重光武雄(韓国名・辛格浩)氏(93)の次男でグループ会長の昭夫(同・辛東彬)氏(61)は一連の疑惑を否定した。韓国メディアが21日報じた。

 昭夫氏は同地検に出頭してから約18時間後の21日午前4時すぎ、取り調べを終えて帰宅した。聯合ニュースによると、昭夫氏は「裏金について知らない」と供述、背任の疑いに関しても「経営上の判断によるものだ」と否認した。

 検察は今月中にも、昭夫氏のほか、脱税などの疑いがある武雄氏、横領の疑いが浮上している長男の宏之(同・辛東主)氏(62)の処分を決定する。報道によると、健康問題などを考慮し武雄氏は在宅起訴、疑いを一部認めている宏之氏も在宅起訴になる可能性が高い。昭夫氏も起訴は避けられないとみられ、検察が逮捕状を請求するかが焦点となっている。

 昭夫氏が逮捕された場合、グループトップの不在期間が長期化し経営への影響は深刻となる。株主から昭夫氏の辞任要求が出る可能性もある。ロッテ側は検察に対し、昭夫氏が逮捕されれば、韓国企業であるロッテの経営権が日本側に移る恐れがある-などと説明し善処を求めているとも報じられている。

 武雄氏の長女、辛英子ロッテ奨学財団理事長(73)は背任収財などですでに逮捕、起訴されている。