英国は原発建設への中国参加見直し
英国では、テリーザ・メイ首相が登場して以来、キャメロン前政権による「親中路線」を見直す動きが加速している。ロイター通信は、メイ氏が国家安全保障の上で重要なエネルギー事業に中国企業が参加することに懸念を表し、20年ぶりとなる新規原子力発電所の建設計画の最終承認を延期したと伝えた。
フランス電力公社が主導して英南西部サマセット州ヒンクリーポイントに新規原発を建設する計画で、約180億ポンド(約2兆4300億円)の建設費の3分の1を中国国有企業が出資することになっていた。
もともとメイ氏はキャメロン前政権の中国から投資を呼び込む政策を懸念していたといわれる。前政権の時代も中国の言論弾圧などの人権問題への批判は控え、露骨な実利主義だとの批判は強かった。
特にヒンクリーポイントでの原発計画に参加する中国国有企業が米国の原発施設で原子力の最先端技術に関してスパイ行為をしていたとして米司法当局から起訴されていたことが判明している。タイムズ紙は、中国が米国から盗んだ核技術で英国に原発施設を建設する可能性が高まったと指摘した。