機構は今年1月22日、中継サーバーのシステム障害を受け「契約上の望んだ機能がない」と富士通に抗議。機構は失敗を取り繕うため、同機種サーバー3台を追加導入したが、いずれのサーバーにも障害が発生するなど場当たり的な対応に終始した。
このため、自治体窓口では1月以降、カード交付時にデータ処理を行う機構の中継サーバー障害が約2カ月にわたり1日に1回のペースで発生。本来不要の再起動が50回以上も繰り返された。このほか大規模な障害が6回も発生したため、処理ができず申請者にカードを手渡せないケースが続発した。滞ったカード交付を促そうと休日の窓口開設を決めた自治体もあった。
結局、27年度は1019万人の申請に対し、約2割の227万枚しか交付できなかった。さらに今年8月1日までに累計1093万人の申請があったが、障害が尾を引いて703万枚の交付にとどまり、300万人超が受け取れなかった。