【ソウル=藤本欣也】巨額の裏金や脱税疑惑で捜査を受けている韓国ロッテグループの李仁源(イインウォン)副会長(69)が26日朝、ソウル郊外で首をつって死亡しているのが発見された。近くの乗用車から遺書が見つかっており、警察では自殺の可能性が高いとみて捜査している。李副会長は同日、ソウル中央地検に出頭し、横領・背任などの疑いで取り調べを受ける予定だった。
李副会長は重光昭夫会長(61)の最側近で、グループ経営を指揮する政策本部長を務めていた。創業者一族の経営活動を補佐するとともに、約90社に及ぶ系列会社を総括管理する強大な権限をもっていたとされる。
検察当局はグループの不正資金の流れについても把握している可能性が高いとみて、最重要人物として事情聴取に乗り出す矢先だった。韓国メディアの報道によると、検察当局は李副会長ら最側近の取り調べを終えた後、来月上旬にも創業者の重光武雄(韓国名・辛格浩(シンギョクホ))氏(93)や次男の昭夫会長らの事情聴取に踏み切る方針だったとされる。
聯合ニュースによると、検察関係者は「捜査日程を再検討せざるをえない」と衝撃を受けているという。
韓国財閥5位のロッテグループの経営にとっても、ナンバー2の死去は大きな打撃となる。