実質賃金、5年9カ月ぶり高水準 6月、1.8%増 賞与など押し上げ

 厚生労働省が5日発表した6月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、基本給や残業代、賞与などを合計した1人当たりの現金給与総額(名目賃金)は、前年同月比1.3%増の43万797円で、3カ月ぶりにプラスとなった。物価の影響を加味した実質賃金も1.8%増と5カ月連続のプラスで、2010年9月(1.9%増)以来、5年9カ月ぶりの高い水準となった。

 賞与(ボーナス)を含む特別給与が3.3%増と伸びて給与総額を押し上げた。実質賃金の増加が1%台となったのも今年3月の1.6%以来で個人消費を後押しする可能性がある。ただ、実質賃金の算出に使う物価指数がマイナス0.5%と下落幅が拡大傾向にあることが実質賃金の伸びを大きくしている要因もある。

 厚労省は「ボーナスの支払時期は分散傾向があり、全体的にボーナスが増えているかは7~8月の動向も注視する必要がある」としている。

 6月の現金給与総額のうち、基本給などの所定内給与は0.1%増の24万1746円と3カ月ぶりで増加。残業代などの所定外給与は0.1%減の1万9031円で、5カ月ぶりに減少した。