□古川元久民進党税調会長に聞く
--消費税増税が2年半延期になった
「やはり昨年10月に予定通り増税すべきだった。アベノミクスはカンフル剤で長く効くわけではない。世界経済の動きをみても今年に入れば下降していくと予想できた。安倍晋三首相は必ず上げる状況をつくると豪語したが、こういう結果になった責任は重い」
--「社会保障と税の一体改革」に関する3党合意をどう考える
「社会保障という将来にわたり国の政策の根幹部分になる話は、与野党で対立をするのではなく、党の枠を超えた合意形成が非常に大事だ。3党合意はその大きな一歩だった。だが、実行に移すのに3党で協議することを含めた合意のはずが、相談もない。3党合意は完全に崩れてしまったと言わざるを得ない」
--民進党は社会保障充実策のために赤字国債発行も辞さない構えだ
「われわれとしても苦渋の決断だ。子育て支援も大事だが、財布のひもを締めている高齢者や低所得者の安心をつくることが、中長期の経済や個人消費の底上げにつながる。約束した充実策はきちんとやり、消費税増税までつながせてもらうという考え方だ」
--軽減税率の廃止を提案する理由は
「消費税制度の根幹を変質させ、将来に禍根を残すからだ。毎年の税制改正の度に対象品目拡大を要望され、必要な財源が増えていくと、結果的に消費税の標準税率のさらなる引き上げにつながりかねない」
--軽減税率に代わる低所得者対策は
「所得に応じて減税や現金支給を行う『給付付き税額控除』だ。所得の把握にマイナンバーの定着など環境整備が必要だが、所得が課税最低限以下で生活保護を受けていないような人をサポートする新しい社会保障のあり方だと思う」