日銀は15~16日に金融政策決定会合を開く。14日の東京市場は英国の欧州連合(EU)離脱を懸念して円高・株安が進み、消費者物価は伸び悩むにもかかわらず、日銀内では追加の金融緩和に慎重論が多い。3つの大きなハードルがあるからだ。
日銀の会合に先立ち、米連邦準備制度理事会(FRB)は14~15日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。5月の雇用統計が悪化したことを受け、追加利上げは見送られる公算が大きい。年2回の利上げ方針が修正されれば、「日米の金利差は広がらない」として円高・株安に拍車が掛かりかねない。
それでも、日銀内で追加緩和への慎重論が出るのは、まず金融機関が「マイナス金利政策」への反発を強めていることにある。三菱東京UFJ銀行は13日、国債入札に有利な条件で参加できる特別資格を返上すると財務省に伝えた。市場金利が大幅に下がる中、国債を保有し続けると損をしてしまうという理由だ。
市場関係者の間では「追加緩和を牽制(けんせい)する深謀遠慮」との臆測もささやかれ、日銀がマイナス金利幅(0.1%)の拡大や国債購入量(年80兆円)の増額に踏み切っても、大きな効果は期待しにくい。