■総合経済対策で需給ギャップ解消
内閣府によると、2015年10~12月期の国内総生産(GDP)ギャップはマイナス1.6%、供給に対してこれだけの需要が不足している。この約8兆円の需要不足が解消しない限り、日本経済は本格的に浮上しない。なぜなら、GDPギャップと設備投資や経常利益などの経済指標は高い相関関係があるからだ。
例えば、設備投資(実質)とGDPギャップは、この二十年来の数値を見ても、ほぼ同じ動きである。経常利益もしかり、消費者物価指数も、消費支出も、雇用者数も、いずれもGDPギャップとの相関係数は高い。GDPギャップの解消は急務だ。
では、需要不足をいかに解消するか。2016年度予算の執行前倒し、熊本地震対策の補正予算は当然。実質GDP2%の成長軌道に乗せることが必要だ。公明党では5月12日に、「成長戦略2016重点項目」として政府に要請、政府の「日本再興戦略」に反映されている。
そこでは、追加的な財政出動(補正予算)を視野に、総合的な経済対策を打つべきである、と提言している。その柱は、家計の負担軽減策と一億総活躍社会の実現だろう。
可処分所得の引き上げとして、プレミアム付き商品券・旅行券の発行を同提言では盛り込んでいる。家計の負担軽減策としては、中間層の所得底上げ施策も検討されるべきだろう。
一億総活躍社会を実現するには、リスクフリー社会、子供を大切にする社会、中小企業主役経済、そして生産性革命予算の拡大を盛り込むべきだ。
リスクフリー社会の構築には、東京五輪・パラリンピックやラグビーワールドカップなどを契機に、地震・災害対策、テロ、犯罪、汚染、渋滞、病院などの対策を完備していく。