財務省が23日発表した4月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8235億円の黒字だった。黒字は3カ月連続。原油安で輸入額が抑えられ、単月としての黒字額は、東日本大震災前の2010年3月以来の大きさとなった。ただ熊本地震の影響で、米国向けの自動車輸出はマイナスだった。
15年4月の貿易収支は、583億円の赤字だった。
輸出は前年同月比10.1%減の5兆8892億円となり、7カ月連続で減少した。熊本地震に加え、世界経済の減速で鉄鋼が32.0%減となったことが響いた。
輸入は原油や液化天然ガス(LNG)の価格下落で、23.3%減の5兆657億円と、16カ月連続で減少した。
国・地域別の貿易収支は、対米国が6148億円の黒字。ただ、熊本地震で自動車部品工場が被災した影響で、自動車輸出が4.4%減と1年5カ月ぶりに減少した。
対中国は2946億円と50カ月連続の赤字だった。対欧州連合(EU)はスペイン向けの自動車の輸出が増え、851億円の黒字だった。