「1ドル=100円」が限界ラインか 為替介入めぐり日米神経戦 (2/2ページ)

2016.5.7 05:00

 米国の利上げが遅れるとの見方に加え、米政府が日本の市場介入に否定的な立場を取っているからだ。

 4月中旬の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後に、ルー米財務長官が「円高が進んでいるが、為替市場の秩序は保たれている」と発言、「一方的に偏った動き」とする麻生氏との温度差を印象付けた。同月29日に公表した外国為替報告書も日本を為替政策の「監視対象」に指定した。

 ドル高は米国の輸出企業にマイナス。大統領選の共和党候補争いで指名確実のトランプ氏は日本の“為替操作”を批判しており、オバマ政権も日本に強い姿勢で臨まざるを得ない。

 仮に日本が米国などと協調せず、単独介入しても効果は限定的とされる。伊勢志摩サミットでは議長国として世界経済の安定に向け、協調を呼び掛ける立場でもあり、「サミット前の介入は難しい」(エコノミスト)との見方が根強い。

 ただ、円高が1ドル=105円より進めば輸出企業などの業績が悪化し、日本経済が失速しかねない。野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは「時期に関係なく、100円を切れば日本は介入する」と指摘する。G20も投機的で無秩序な為替変動に対しては介入を容認しており、日米の当局に市場を交えた神経戦はしばらく続きそうだ。

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