G20 麻生氏「偏った円高に懸念」 通貨安競争回避を確認

2016.4.16 05:00

ルー米財務長官と会談後、記者の取材に応じる麻生財務相=14日、ワシントン(共同)

ルー米財務長官と会談後、記者の取材に応じる麻生財務相=14日、ワシントン(共同)【拡大】

 日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が米ワシントンで14日夜(日本時間15日朝)開幕した。麻生太郎財務相はこれに先立ちルー米財務長官と会談し、最近の円高について「一方的に偏った動きに強い懸念を有している」と伝えた。G20でも為替相場の過度な変動は望ましくないとの認識を共有する一方、通貨安競争を回避することを確認した。

 G20の初日は世界経済をテーマに討議。15日に「パナマ文書」で関心が高まっている課税逃れ対策を協議し、共同声明を採択して閉幕する。

 麻生氏はこれまで、急激な円高には為替介入も辞さない構えを示してきた。ルー長官との会談では、通貨安競争の回避などを決めたG20合意を各国が順守することが重要との認識で一致。G20の会合では、日銀のマイナス金利政策はこの合意に反するものではないと説明し、正当性を訴えた。

 麻生氏はG20会合で「金融市場は落ち着きを取り戻しつつあるが、(世界経済には)下方リスクが残っている」とも指摘した。日銀の黒田東彦総裁は開幕前、記者団に対し「ここ数日、行き過ぎた円高が少し修正になっている」と述べ、為替相場を含む経済動向を引き続き注視する姿勢を示した。

 昨年末の段階で1ドル=120円台で推移していた円相場は年明けから上昇し、4月に一時1ドル=107円台まで円高ドル安が進んだ。米国の追加利上げが遅れるとの見方を背景に、日銀がマイナス金利政策を導入したにもかかわらず円を買う動きが強まった。(ワシントン 共同)

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