【マイナス金利】先行した欧州ではマイナス利回り常態化…消費者の預金が減る「異常事態」も (1/2ページ)

2016.2.11 18:10

 長期金利が初のマイナスとなる中、日本に先んじて「マイナス金利政策」を導入した欧州では、一部で10年物国債のマイナス利回りが常態化し、民間銀行が預金者にマイナス金利を適用する「異常事態」が出始めている。

 現在は、ユーロ圏の金融政策を担う欧州中央銀行(ECB)など4中銀がマイナス金利政策を導入している。日銀と同様、民間銀行が中銀に預ける資金にマイナスの金利を適用している場合が多い。

 ECBは景気テコ入れと低迷した物価の底上げを狙って2014年6月にマイナス金利を導入した。対ユーロでの自国通貨高を抑えるため、デンマークなど3カ国中銀もECBに前後して取り入れた。

 現在、最もマイナス幅が大きいのはスウェーデンのマイナス1・1%。また、スイスでは「安全資産」として人気の高い10年物国債がマイナス利回りで流通している。

 では、マイナス金利政策の効果はどうか。ユーロ圏では貸し出しに底入れの兆しが出ており、15年末の銀行の民間向け貸出残高は前年末比0・7%増えた。ただ、大半は個人向け住宅ローンで企業向けは伸び悩む。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、デンマークのある銀行は、変動型の住宅ローンにマイナス金利を導入し、ローン契約者は元本から利息を差し引いた額を返済する珍現象が発生した。集合住宅の平均価格が高騰し、不動産バブルを懸念する声もある。

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