【ワシントン=小雲規生】米通商代表部(USTR)は8日、中国が輸入航空機に課している付加価値税を国産航空機では免除しているのは不公平だとして、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。WTOの手続きに従い、中国との2国間協議で問題解決を目指すが、解決できない場合、紛争処理小委員会(パネル)の設置をWTOに求める。
USTRによると、中国は米国などから輸入されている25トン未満の航空機に対して17%の付加価値税を課している。しかし中国で生産されている同じクラスのプロペラ機やビジネスジェット、小型ジェット機「ARJ21」などは免除の対象とし、さらに免除措置を公表してこなかったという。
USTRのフロマン代表は8日、「中国の差別的で不公正な税制は米国の労働者や米国企業に害をなしている」とする声明を発表。中国が免除措置を隠そうとしてきたことについても、「法律や規制の透明性は中国が守らなければならないWTOの規約の中核だ」と厳しく批判した。
中国の航空機市場は急速に拡大しており、各国の航空機メーカーが販売に力を入れている。