環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は、2日間の予定だった会合を議長国・米国の提案で2度も延長することになり、他の交渉参加各国のスタッフは連日の詰めの交渉と同時に代表団の宿泊延長などの事務作業にも追われている。交渉参加国の間で、米国の議事運営に不信感が蓄積するばかりだ。
「もちろん私自身、会議の戦略性の欠如については不満を持っています」。甘利明TPP担当相は3日昼、2度目の会合延長を明らかにした記者会見で米国への不満をぶちまけた。
米国は当初、閣僚会合の日程を9月30日、今月1日と発表。その上で2日まで延長される可能性があるとしていた。しかし実際には1日になって「3日に共同会見を開く」と日程変更を決定。さらに3日午前になって各国に対し、「あと24時間滞在を延ばしてほしい」と要請した。
しかし、焦点となっている米豪の医薬品のデータ保護期間をめぐる対立では、交渉筋から「(米通商代表部=USTR=の)フロマン代表は(豪州の)ロブ貿易・投資相の提案を却下するばかりで最後の間合いを詰めようとしない」との不満も出る。医薬品をめぐる交渉は4日未明から昼にかけても続けられるが、合意できなければ米国が戦犯扱いされかねない状況だ。