経団連の榊原定征会長は7日の会見で、採用面接などの選考活動を昨年より4カ月遅い8月1日に解禁するなど、今年から変更された大学生の就職活動の日程について「10月以降に会員企業にヒアリングし、継続するかどうか対応を決めたい。(元に戻すことも)選択肢だ」と述べ、見直しの可能性に言及した。ただ「来年は抜本的な変更はできない」と指摘し、2017年4月入社の大学生については今年の日程を踏襲する公算が大きいとの認識を示した。
16年4月入社の大学生の就活日程について、経団連は「学業優先」とする政府の要請を受けて選考開始時期を繰り下げ、加盟各社に新日程の順守を要請。しかし、外資系や経団連に加盟していない企業などは昨年同様に4月から選考を始め、内定も早い段階で出している。
8月1日時点で内定を得ていた学生は全体の6割に上るという就職情報誌の調査結果もあり、経団連が新たに設定した日程は形骸化もささやかれる。実際、首都圏の私立大の担当者は「経団連加盟企業でも解禁以前に面談と称して役員面接を行い、『内々定』や『合格』といった表現で事実上の内定を出している」と実態を明かす。