【アンカラ=米沢文】トルコの首都アンカラで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は5日夕(日本時間同夜)にも共同声明を採択して閉幕する。声明には中国の景気減速による成長下押しリスクを念頭に、各国が危機感を共有しながら政策を調整する必要性などが盛り込まれる見通しで、世界経済の持続的成長と市場の安定に向け、各国が協調する姿勢を改めて確認する。
声明では、特定の国を名指しした表現は避ける見通し。ただ、世界経済の基調が弱含んでいるとの認識を示した上で、輸出振興を狙った「通貨安競争」の回避や、参加各国に保護主義にならない政策を求めるなど、8月に人民元を切り下げた中国を事実上牽制(けんせい)し、構造改革を促す方向だ。
会合では、最近の世界同時株安など金融市場の動揺を受け、中国に政策運営の透明性を求める意見が相次いだ。また、年内にも見込まれる米国の利上げについて、利上げが実施されると資金が流出するとの警戒感が強い新興国などから、金融引き締めは市場との慎重な対話が必要との注文が出された。