G20財務相・中央銀行総裁会議の焦点について、元日銀理事の松島正之氏に聞いた。
--世界経済の現状は
「金融市場は落ち着きを取り戻しつつあり、世界経済の緩やかな回復過程は崩れていない。ただ、世界経済の下振れリスクは引き続き大きく、これからの政策課題だ。特に米国と中国には自国経済を成長軌道に乗せると同時に、世界経済への影響を十分認識した政策運営が求められるだろう」
--中国経済の先行きに対する懸念が消えない
「過剰投資と地方財政の悪化によって中国経済は減速しており、状況は深刻だ。中国当局には中国経済が世界経済のリスクになっているということを十分認識してもらう必要がある。同時に、経済の実勢と政策の透明性の強化にも取り組んでほしいという議論が出てくるだろう」