中国の追加金融緩和を好感し、26日の日経平均株価は終値でようやく上昇に転じた。ただ、中国・上海株式市場は下落が続くなど、市場心理は依然として不安定だ。急激な株価下落の余波に加え、中国など世界経済の先行き懸念も払拭されてはいない。失速リスクを抱える中国経済の動向や利上げが視野にある米国の金融政策判断が、当面の相場安定化の鍵を握る。
「日経平均株価は下落に歯止めがかかったが、上海が続落するなど、グローバルで見れば不安定な地合いは変わっていない」
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストはこう指摘する。その上で「年末にかけて平均株価は1万7500~2万0500円、円相場は1ドル=116~122円で安定せずにもみ合う」とみる。
25日は欧州などで株価が反発したが、日本と中国、米国は下落が続いた。26日に日本が下げ止まり、世界的な株安連鎖は落ち着きどころを探っている状況だ。
今回、世界の金融市場が動揺した背景には中国経済の失速リスクへの警戒感と米国の利上げ観測がある。 株安連鎖の震源地となった中国経済は悪化の度合いが明らかでないなど、引き続き投資家の先行き不安が根強い。25日に打ち出された追加緩和だけでは中国経済の本格的な押し上げには力不足との見方が少なくなく、成長鈍化の傾向が続く公算が大きい。