2015.6.30 09:07
ギリシャの公営テレビ出演に臨むチプラス首相=29日、アテネ(AP=共同)【拡大】
【アテネ=内藤泰朗、ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)のギリシャ支援問題で、同国のチプラス首相は29日、支援合意がなければ、30日に期限を迎える国際通貨基金(IMF)への約16億ユーロ(約2200億円)の返済はできないとの見解を示した。また、7月5日に予定する国民投票でEU側の財政再建策が支持された場合、自身が退陣する可能性も示唆した。
チプラス氏は同日、公営テレビに出演し、「自国の銀行が窒息しそうなときに支払いを期待できるのか」と指摘。IMFに返済する可能性は排除しないものの、支払いにはEU側からの支援合意の申し出が必要との認識を強調した。
チプラス氏は同時に「私の電話は一日中つながる」と述べ、同じく30日に期限となる金融支援について交渉する用意があるとした。
国民投票に関しては、財政再建策が否決されることでEU側との交渉で有利になるとし、有権者に反対するよう改めて求めた。一方で再建策が支持された場合は「結果を尊重するが、われわれはその実行者にはならないだろう」と語り、退陣の可能性を示唆した。