麻生太郎財務相はG20で、「雇用情勢、企業収益が順調に回復している」と説明、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の順調ぶりをアピールした。また、「2020年度までに(財政の健全性を示す)基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標を堅持する」とし、財政再建の取り組みを強化する姿勢を示した。
世界経済のセッションで冒頭に発言した麻生氏は、日銀の金融緩和などで、雇用情勢と企業収益が好転したことを強調。消費税率10%への引き上げ時期は延期したものの、「15年度予算案を前提とすれば、15年度のPB赤字半減目標の達成を見込める」としたほか、20年度のPB黒字化達成に向け、夏までに具体的計画を策定するとした。
先進国を中心に世界経済の低成長が懸念される中、大胆な金融政策などで、日本経済を長引くデフレからの回復基調に乗せたアベノミクスの注目度は高い。参加者から懸念の声はなく、国際機関からは、「日本でいう三本の矢が大事」という発言まで飛び出すなど存在感をみせていた。(イスタンブール 万福博之)