14日に閣議決定された平成27年度予算案は、昨年4月の消費税増税で減速した景気の再浮揚に加え、持続的な経済成長の両立を目指すなど、「アベノミクス」の加速を重視したのが特徴だ。一方で、社会保障費や防衛費などは上積みされ、総額は96兆円台と過去最大を更新。歳出削減は進まず、財政再建への取り組みに課題を残した。
今回の予算案で焦点となったのは、(1)日本経済を中長期の発展につなげる成長戦略の反映(2)アベノミクスの恩恵が及んでいないとされる地方や中小企業など、経済の脆弱性への手当て(3)消費税率10%への引き上げ時期が先送りされた中で、「聖域なき歳出削減」による財政再建への道筋をつける-の3点だった。
成長戦略と地方・中小強化については、「女性の活躍」として、子育て支援費用を5千億円超と大幅に増やしたほか、成長分野と期待されるロボットの研究開発・普及促進に111億円を盛り込んだ。また、地方創生に要する経費として、新設された1兆円の「まち・ひと・しごと創生事業費(仮称)」を含め、計3兆円超を配分するなど一定の配慮がなされた。
だが、歳出削減については、政策経費での切り込み不足が目立つ。