輸出の7割を原油、天然ガスなどの資源エネルギーに依存するロシアにとって、原油価格の下落は経済成長の足かせになっている。11月に開催された石油輸出国機構(OPEC)の総会では、減産の見送りが決定され、供給過多から原油価格の下落をもたらしているが、次回6月の会合で減産が決定され、下落に歯止めがかかるかどうか、不透明な状況にある。
インフレ体質のロシア経済にあって、政府はルーブル下落の対策に加えて、景気後退期のなか、インフレ対策としても金融引き締めを継続する必要があり、民間設備投資、個人消費への影響は避けられない。
このようにロシア経済の足元は厳しい状況にあるものの、新興国として伸びしろの大きいロシア市場は魅力的であり、また日露関係が歴史的な局面を迎えようとしているなかで、日本にとって今後のビジネスチャンスは大いに期待できる。そのタイミングに向けて15年は「我慢の年」と言えよう。(ジェトロ・モスクワ事務所長 服部隆一)