産経新聞社が8日にまとめた衆院選の終盤情勢では、野党の党首級が自身の選挙区で軒並み苦戦や接戦を強いられている。「選挙に強い」とされてきた幹部ですら、他の候補者の当落どころか自身の選挙を心配しなくてはならない状況となり、党の選挙戦略に影響するのは避けられない。(峯匡孝)
とりわけ深刻なのが民主党だ。海江田万里代表は、再選を目指す自民党前職にリードを許している。海江田氏は平成24年の前回衆院選でも、選挙区でこの自民党前職に惜敗し、比例代表で復活当選した。海江田氏は今回も比例代表に重複立候補しているが、同氏の今回の情勢は前回よりも厳しく、東京選挙区で民主党候補が相次ぎ落選すれば復活当選もかなわなくなる。
前回は選挙区で当選した枝野幸男幹事長も、今回は自民党前職を突き放すには至っていない。党の候補者を応援するため全国を飛び回らなければならない民主党の2トップは、無党派層が多い都市部を地盤とする「弱み」に苦しめられているといえそうだ。
前回衆院選で比例復活に甘んじた菅直人元首相も自民党前職に差をつけられている。安定した選挙戦を展開している民主党幹部級は、党最高顧問の野田佳彦前首相や岡田克也代表代行らにとどまる。