【太陽の昇る国へ】決断すべきは増税ではなく減税 (2/3ページ)

2014.11.14 05:00

今後の経済財政動向の点検会合で有識者、専門家を前にあいさつする麻生太郎副総理兼財務相(右)=4日、首相官邸

今後の経済財政動向の点検会合で有識者、専門家を前にあいさつする麻生太郎副総理兼財務相(右)=4日、首相官邸【拡大】

 今後、増大する社会保障費をすべて消費税でまかなおうとすれば、今世紀半ば頃には税率が60%にも及ぶという予測もあります。急速な高齢化の一方で、社会保障制度の担い手たる現役世代が減少するなか、消費増税により現行制度を維持しようという考え自体が無責任極まりないものなのです。年金の破綻処理も含め、社会保障制度の抜本的な見直しは避けられないというのが私たちの考えです。

 --こうしたなか、先月末、日銀が金融政策決定会合で追加金融緩和を決定しました

 景気が足踏みするなか、再増税を後押しするかのような決定です。4月下旬の本欄でも指摘したように、増税判断に合わせた日銀の追加緩和は予想されていたことでもあります。異次元緩和自体は、かねて大胆な金融緩和の必要性を訴えてきた幸福実現党としても是とするものです。

 しかし、資金供給量が増えても、企業は銀行からお金を借りようとしません。新規の事業を立ち上げても、成功して返済する自信がないからでしょう。ここに、安倍政権の政策の足りざるところが透けて見えます。

 --具体的には

 実効ある成長戦略の不在です。「日本の繁栄は絶対に揺るがない」という先行きへの確信が持ててこそ、民需も回復し、民間主導の成長実現の道筋も見えてくるというものです。

 また、安倍政権としては、異次元緩和による円安進行で輸出が拡大し、景気が回復するというシナリオを描いていたのでしょうが、企業が生産拠点の海外移転を進めた結果、円安でも輸出が伸びなくなっています。企業の国際競争力を高め、海外投資を呼び込むには、消費増税の中止はもちろん、法人税の大幅減税や大胆な規制緩和が急務です。

 庶民派を気取り、「増税棚上げ」を口走るくらいなら、日本経済を低迷させ、国民生活にダメージを与える増税など、最初からしなければよいのです。場当たり的な施策ではなく、この国を強く、豊かにするための政策遂行を強く望むものです。

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